『昆布の水塩』と『塩』の比較実験

フレンチシェフ 中村 新 氏フレンチシェフ 中村 新

1959年 和歌山県生まれ。
辻調理師専門学校で教職につき、テレビ番組『料理手帖』『料理天国』などを担当する。
渡欧して3つ星『ル・ガヴローシュ』などを渡り歩き修行、帰国後、フランス料理『ビストロ・ダジュール』『リオン・ドール』のグランシェフに就任。ホテルピエナ・総料理長などを経て、現在は(株)キッチンエヌの代表取締役。
様々な飲食店をプロデュースし、大手メーカーの新商品開発なども担当するマルチ料理人である。2002年松前屋の顧問に就任、センスあふれる斬新なアイデアで昆布の可能性を追求している。

塩分使用量の比較実験

同じ素材で『塩』と『昆布の水塩』で各々味をつけ、塩分使用量を比較しました。 (味付けは中村シェフの感覚で行っています。)

  水塩 塩分量の比較
①魚のムニエル
※アジの切り身にそれぞれを振りかけて焼く。
・アジの切り身(3枚おろし)
 約50g×1枚
・塩×0.9~1g
・アジの切り身(3枚おろし)
 約50g×1枚
・水塩(玄25%)×1.4g
 +焼き上がりに0.2g
塩1g   : 水塩の塩分量0.4g
②サラダ ・ベビーリーフ×100g
・塩×0.4g
・ベビーリーフ×100g
・水塩(森15%)×2.5g
塩0.4g : 水塩の塩分量0.375g
③おにぎり ・ごはん×100g
・(濡らした手に)塩×0.4g
・ごはん×100g
・(手に)水塩(玄25%)×1.3g
塩0.4g : 水塩の塩分量0.325g
④炒飯
※具=玉葱・ピーマン・人参のみじん切り
・具×71g
・ご飯×250g
・塩×2.4g
・具×71g
・ご飯×250g
・水塩(玄25%)×8.2g
塩2.4g : 水塩の塩分量2.05g
④パスタ
※ ソース=ベーコン・ホールトマト・たまねぎのみじん
   切り、オリーブオイル
※ パスタは塩ナシで茹でる
・ソース×165g
・茹でたパスタ×250g
・水×250g
・塩×4g
・ソース×165g
・茹でたパスタ×250g
・水×250g
・水塩(玄25%)×8.4g
塩4g   : 水塩の塩分量2.1g

「美味しい」に対して使用する塩分の比較表((株)キッチンエヌ調べ)

分類1 分類2 例・加熱可否 対比 ※1
肉類 白い肉類 鶏肉、豚肉他 55%
赤い肉類 牛肉、ラム肉、鴨肉他 70%
魚介類 白い身の魚 タイ、ヒラメ、キス他 50%
赤い身の魚 マグロ、カツオ他 70%
貝類 ハマグリ、ホタテ他 50%
野菜 根菜 生食 80% ※2
加熱済み 65%
葉もの 生食 90% ※3
加熱済み 70%
ソース 植物系 トマトソース他 80% ※4
動物系 カレー、シチュー他 55%
炭水化物   ごはん、麺他 85%
※1・・・官能テストによる精製塩使用を100%とした場合の昆布の水塩に含まれる塩分量の比較
※2、3、4・・・比較的比率が高いが、格段に旨味が乗り精製塩使用よりも数段美味しくなる