昆布の水塩

What is UMAMI ?

umamiは、ボンヤリしたイメージはあるが実態を掴みづらい・・・と思っている人が多いかもしれない。がしかし、実はすでに日々の食生活の中で、あなたも自然に取り入れているのだ。

熟したトマト、スライスしたプロシュート、チェダーチーズ、ケチャップを塗ったジューシーなハンバーガー、これらの食べ物が、あなたの食欲を誘うのはなぜだろうか?

風味、奥深さ、(食べた時の)満足感、ん~よだれが出てきそうな、何ともいえない幸福感に包まれますね。これら全ての食べ物に、実は、うまみがたっぷり潜んでいるのです。umamiとは、味を表現する用語で、食材を保存・調理・乾燥・醗酵・熟成させることによって自然に生まれるものです。

例えば、ハムを熟成する際、まず醗酵作用によって肉のたんぱく質が分解され、それによりアミノ酸が増加し、グルタミン酸が増えていくことでうまみが増します。また、牛肉をとろとろ煮込むと抜群のエキスが出てくる。これは、加熱することにより、肉に含まれるイノシン酸が増えていくためです。ポルチーニ茸やアミガサダケは、天日乾燥させて保存されるものですが、この過程において、これらに含まれる酵素がグアニル酸と呼ばれる別のうま味成分を作り出します。この3つのアミノ酸とヌクレオチド-グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸-は、うまみ成分の中を伝えるのに最も重要な物質である。

<umami and Japanese cuisine(うまみと日本料理)>

もしうまみがこうした多くの食材に含まれるものだとすれば、なぜ日本料理との関連性がそこまで高く紹介されるのか?それは、他国とは大きく異なる日本の食文化と深い関係があるのです。

日本の長い歴史において、肉や乳製品を食すことは、仏教の教えに基づき長い間タブーとされてきました。西洋では、バター、油、ビーフやチキンの出汁で味付けをする一方で、日本では、昆布、鰹節、乾燥しいたけといった、自然から生まれる食材を用いてきました。

これらの伝統的な食材は、実際には肉とは違うのだが、それに等しい風味を料理に与える。なぜか?それは、これらの食材が、世界中のどの食品よりも、うまみ成分を多く含んでいるからです。日本料理はうまみや風味といったことから発展してきた料理であるゆえ、それが料理において不可欠な要素となり、代表的な特徴となった。調理の基礎となる調味料・・・中でも味噌、醤油、みりん、酒といった発酵調味料・・・は、うまみいっぱいである。

<what does umami taste like?(うまみはどんな味?)>

甘、辛、苦、酸が直接味雷を覆うのに対し、うまみは少し異なる。
それは、他の基本味と違い、うまみは基礎を成す味であり、それ自体が際立った味を持っているのではなく、他の食材の風味を拡張させる役割をするからだ。それは、日本人が出汁を基盤に味付けをしていく過程を考えてみれば分かりやすい。出汁(伝統的なスープ)を使って調理するというのは、うまみを食材に伝えていくという日本料理の基本的な考え方だ。出汁には色々種類があるが、どれも、うまみが豊富に含まれている食材から作られている。

昆布出汁は、天日干しした昆布から作られるが、これには世界で最もグルタミン酸が豊富に含まれている。しかし面白いことに、昆布出汁そのものを舐めても、あまり味がしない。野菜やたんぱく質を昆布出汁に入れると、驚くほどの風味が生まれ、食材が活きるのだ。特筆すべきは、それが本質的な、本来の味は保ったままであるということだ。

<umami and your cooking(貴方の料理がうまみで変わる)>

西洋料理と日本料理の違いを要約するならば、「足し算vs引き算」である。
日本料理は、食材が本来持ち合わせる繊細な味や風味を引き出し、そのバランスを大切にする一方で、西洋料理は、脂肪、バターやスパイスといったものを足し重ねていくことで、風味のインパクトを生み出すのが特徴だ。

どちらの料理においても、うまみは重要な役割を果たしている。ということは、素材の持ち味を壊すことなく、風味を引き上げる日本料理のシンプルな"うまみ増進"技術を用いれば、西洋料理ももっと美味しくできる。あなたがどんな料理を作っていようと、この技術を取り入れれば、あなたの料理はより一層魅力的で、食べる人の味覚を刺激するような、素晴らしいものになるに違いありません。